日記4

『でてこなければやられなかったのに…』

 母の見舞いのために病棟へ行った。真の目的は摘出された腫瘍付き卵巣を生で見ることだったんだが、担当のドクターが携帯を置いてどこか行ってしまったために会えずその願いは叶わなかった。次はちゃんと事前に連絡して病院に行くから、その時は見せてもらえるはず。(話に寄るとそのドクターは人に自分の取り出した臓器を見せるのが大好きらしい。おれが見たいということが間接的に伝わったときは実に嬉しそうだったとか。実に変態ですね)。病棟内は小一時間練り歩いた。とても楽しかった。血液浄化コーナーの奥とか覗きたかったんだが、そこら辺は見舞い客は通れないらしく断念せざるを得なかった。点滴を取り替える作業とかも見ていて面白い。医療関連の施設や器具は昔からどうも好きです。前世が病院の廊下だったのかなあ

『たんだたんだたんだたんだ』

 五反田とか翌々考えてみたら全く知らなかったから、駅の近くをぐるっと一周してみた。何も面白いことがないことがむしろ面白い感じだった。見事に何もない。高田馬場なんかは学生街のおかげで面白い古本屋があったりするんだが。仕方ないからヒトカラでもしてやろうかと思ったけど高そうな時間帯だったので引く。というよりどうせ行くなら地元に出来たカラオケの鉄人に行ってみたい。単純に鉄人に行ったことがないというのもあるし、何より前に家の裏庭にいたら聞こえてきた女子高生たちの「あのカラオケの受付の人まじやばいよねー」「ねー! まじやばいよねー!」という会話が引っかかっている。そこの店員のなにがどうやばいのかが気になり続けて早半年。このままじゃ引っ越しちまう。はよ行かにゃ

『こまごめまでにじゅうよんふん』

 仕方ないから渋谷に戻ってくる。あほの街渋谷。思えば日本に来てからずっと渋谷は拠点だった。もう12年くらい渋谷の近くに住んでいたわけだ。次の引越し先も都心に出るなら渋谷を媒介にすることにはなるんだが、それでもやはり遠くはなる。ちょっくら出てくる、って感覚ではなくなってしまうわけだ。そう考えると少し物悲しいものがある。というわけで特に意味も無くぶらついていた。
 相変わらず人がごった返していた