カンボジア1

 こんばんは。すごい深夜に更新します。この1,2週間というものあまりにも作文行為から離れすぎていることに気がついたので、海外まで持ってきた半壊のラップトップから更新します。フィリピンは今日一日中すごい大雨でした。というか今も降っています。8月のこの時期は雨が凄まじいみたいです。
 空模様はよく心を映す(逆?)と言いますが、自分の場合は身体状況を表しているようで、今回はいつもの滞在にも増して胃腸の調子がおかしいです。何が原因か――というのを考えるとやはり水、たとえ蒸かしててもミネラルウォーター以外の東南アジアの水は一切だめみたいで、もちろん直接飲みはしていないものの、歯を磨くときに口に入る分とか、外食の店で調理に使っている水とか、そもそも紅茶頼んだ時に出てくるお湯も何だか知れたものではないし、とにかく完全にシャットダウンはできていないと思われるので、そういうのでも、自分の弱い胃腸はやられてしまうみたいです。今日は夕方ごろからずっと苦しんでいました。本当に胃の中にスコールが降っているかのような辛さでした。今はまぁ、小雨くらいには収まっているので、雨が弱まっているうちにこうしてインターネットに外出しているわけです。
 あるいは、と思うんですが、自分の身体の調子を狂わせているのはこの国の水ではなく、自分の身体が自分の感情以上に精神状態を反映していた受験時代のことを顧みると、単に自分がこの国のことを好きじゃないというところから身体が嫌がっているのかもしれません。まさに胃がキリキリ痛むというやつです。家族に会いに来ているわけですから表面意識上は全く嫌じゃない、むしろ楽しみにして来たくらいなんですが、それと実際に滞在していて精神が感じるストレスとは、また別の話にも思えます。
 で、フィリピン嫌い? と訊かれると、どうなんでしょうね。あまり日本人が住むには適していないかもしれないですが。一概に言う問題ではなく。自分自身がどうかというと、うーん、やっぱり、ねぇ? ちょっと………あんま……………好きじゃない………かな…?…………なんか…汚いし……
 家の中とかホテルは奇麗なんですけどね。やっぱり外出ると色々ありますよね。今はあんまり思い出したくないですけどね。色々ありますよね。やっぱりね
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夏の写真2013〈ひと夏の思い出をブログに残そう〉
 今夏のはてなにはこういうお題があるそうです。ので書こうと思います。
 ブログに書いていたかどうかは忘れましたが、この夏はフィリピン滞在中にカンボジアに旅行するという計画でした。で、行ってきました。シェムリアップに。8月10日から14日までの中3日だけですが。定番のアンコール・トムやアンコール・ワットの他にタプロム、バプーオン寺院、バンテアイ・スレイ、トンレサップ湖、ベンメリアなど、主要な所は大体観て回ってきました。結論から言うと最高でした。元々遺跡とかいうと鼻血出て行きたがるタイプでしたし、特に前2つは世界史をあほみたいにやっていた時期に穴が開くほど資料集の写真を見てきて思い入れがありますし、似合わないリュック背負って元気よく見学してきました。
 とはいえ、もちろんアンコール・ワットも良かったものの、本当の意味で収穫があったと言えるのは、後2つのトンレサップ湖、ベンメリア寺院群の方だったというのが今回のお話です。トンレサップ湖の方は水上生活者を非常に間近で観られたことがかなり大きな情報といえて、でも、今回の旅行の目的であった遺跡探検という意味では、ベンメリアの遺跡がとにかく素晴らしかったんです。 
 自分が今そらで書ける情報でいうと、そのベンメリアという遺跡はアンコール・ワットよりもどうやら1,2世紀ほど前に作られたヒンドゥー教の寺院みたいで、シェムリアップ周辺といっても40キロほど離れていて、少し前まで遺跡周辺にも地雷が散乱していて、ぶっちゃけ今でも少し離れてしまうと危ないということ。アンコール・ワットと違って整備がきちんとされていなくて、今まさに自然の力によって崩壊中の遺跡であるということ。それと何より、他の遺跡と違って、中まで入り放題触り放題だということです。
 行く前に「世界規模で考えてもあんまりにも非常識だと思われること以外はなんでもやっていい」という話をきいて、でもさすがに遺跡の瓦礫を踏ん付けて歩いていったらどうなんだろうと思って行ってみたら、現地の子たちが踏むどころか破壊して遊ぼうとしている始末で、まさに何でもありといった感じで驚きました。
 Wikipediaや旅行雑誌にはラピュタの元になったと言われていると書いてありますが、その情報の信憑性はともかく、ベンメリアの見た目はまさにラピュタでした。ふと曲がった先に巨神兵が座っていそうな、そんな雰囲気でした。
 ていうか読むよりも見るが易しですので写真を載せていこうと思います。手振れが酷かったり構図が変だったりと撮るのが下手なのがバレバレで恥ずかしいですが構わず載せていきます。
 この写真は車から降りて向かっていくと見える遺跡を別の角度から撮ったものです。いわばベンメリアの入り口的な写真です。といっても直接あの中からは入っていけないんですが(奥が瓦礫で塞がっているので)。この遺跡がまさにジャングルの中にある廃墟といった感じなのはわかると思います。特にこれが少し暗くなったりすると雰囲気がものすごく面妖なことになるようです。ちなみに自分はあの入り口のところまで登っていきました。軍手がなく且つ割といいパンツを履いていたのですがテンションあがってよくわかんないことになっていました。

 道沿いに遺跡の外回りを撮っていました。その中から一枚。

 アトラスゲープレイヤーにはお馴染みのナーガさん。ここのナーガ像は特に保存状態が良くて有名なようです。確かにわかりやすい。でも剥き出しでみんな触り放題なので劣化もはやいんじゃないかと危惧。せっかく保存状態いいのだったら保護すべきじゃないかな? と思いつつご利益があるように自分も少しだけ触ってきました

 遺跡周辺の説明は少し文字だと難しいです。Wikipediaにマップがあるのでそれを見ていただけたらなんとなくはわかっていただけると思います。この写真はまだ周辺です。崩れ具合がおしゃれだったので撮りました。

 階段があって遺跡の中まで入れたりします。登ると簡単な橋があって、内堀、外堀を、今度は内壁をぐるりと観て回る形で一周できるわけです。その写真については今この瞬間に簡単にPCに送ることが難しいデジカメで撮ってしまったのでまた今度ですいません。ちなみに今載せているのはすべてiphone製です。
 と思ったら少しだけあった? 橋と内堀の風景。


 これは橋を行く途中にあった素ん晴らしい掛かり方をした木です。タプロムというカジュマルの樹が寺院に取り付いている場所でもたくさんの樹木の神秘を観ましたが、これもすごいなと思いました。何がなんでも建物と交わっていく自然の力強さみたいなものを感じました。

 これは外堀かな? まーもう今見てもびっくりするくらい見事な緑と石の関係性。

 で、内側の橋を行くと、また登り階段が。降りる階段とは別にあるので、高台から写真でも撮ってねという意味なのかなと思いながら登ると、降りた先がこうなっていました。厳密にいえば、高台的な感じにはなっていたのですが、地味に階段が続いていて、そこをのぞいてみるとこんな入り口があったわけです。
 自分のガイドさんではないのですが、たまたまそこに居合わせていた現地の男性に入っていいのかを訊ねてみると、入っても構わないどころか内部を案内してくれると言うので付いていきました。彼は目を瞑っていても内部を移動できるそうで、その話をきいて、自分はこの遺跡の周辺で裸で遊びまわっていた子供たちを思い出しました。彼もその子供たちのようにこの遺跡で遊んで育ったのでしょうか。

 なんだか、いらっしゃーい、って感じです。この続き、遺跡の建物のまさに内部については、写真を使っても説明しきることはできないだろうな、と思います。いくら語彙力がないと言われようが、まじでやばかった、としか言いようがないです。

 自然と文明の調和? あるいはこの乱雑とした交じり合い、ある意味での生存競争、しかしまたある意味での共存関係の光景には、中々筆舌に尽くしがたいものがありました。で、これは内部にできていた池です。一応内堀部分ですかね。

 こう、壁沿いに忍者みたいにして歩いて進むわけです。落ちたらどぼんですから怖いです。この日は午前に雨が降っていたので足元が滑りやすく、かなりスリリングでした。
 この景色を見て嘆息していると、急に頭上の木の表皮がベリベリベリと音を立てて剥がれ始めて、何かと思う前に池の中にドボンと落ちていって、すげぇ瞬間を見たなと驚いたのを思い出します。しかし案内してくれていた男の人に訊いてみると、よくあることだと言って笑っていました。建物もですが、自然の方もギリギリのところで生きてます。

 壁沿いに進めなくなった! と思ったらこれも道です。瓦礫を踏んで越えていくわけです。

 分かりにくいと思いますが、この輪っかがブランコになっていて、乗れたりするようでした。ガイドの方に「乗れよ」と言われたので素直に乗りました。文明と自然の板ばさみの中、すべてを忘れてブランコに興じる20歳の写真が撮れました。どう大目に見ても知能指数が80にしか見えない写真になったので封印しようと思います。

 暫く内壁沿いに歩いていると、実際に建物の中に入ると、崩壊していないこんなところも。本当に手の付けられていない場所のようで、ひんやりとした空気が怖いくらいでした。とりあえず拝んでおきました。

 道、

 道、

 道(の隣にできていたミニ池)、

 道、です。瓦礫の上を歩いて進む感じです。時折ぐらぐらと動くものがあって危ないは危なかったです。ところどころに小さな池ができていますから、どういう油断から全身を濡らす羽目になるかわからないものでおそろしい。

 これも道です。先ほどのような崩壊していないところを進んでいくと奥に小さな通り道があって、それがこの暗い溝みたいなところです。ガイドしてくれる人がいないと行き止まりだと思って引き返すくらい分かりづらい、というかガイドさんがいないと日本人はさっきの壁沿いの時点で道がないと思って帰ると思いますけど…

 途中、またブランコを見つけました。分かりづらいと思いますが、この細い木の幹が腰を下ろせるようになっています。乗って写真を撮ってもらいました。撮ってもらった写真を見るとあまりにもアホみたいなのでこれも公開はせず封印しますが、乗ることにはきちんと乗れました

 20,30分くらい? 汗だくになりながら、とにかく遺跡内部を自由にぐるぐると探検した後に出てきた橋の上で撮った写真です。あの木で封鎖されたところの脇から出てきました。まさにゴール! といった気持ちで開放感溢れてました。

 再三になりますが、アンコール・ワットとかも、もちろんすごく良かったわけです(それも後日書こうと思います)。ですが、自分が求めていた遺跡体験は、まさにこのベンメリアでしたような、遺跡にぺたぺた触りながら内部を探検していくというものだったので、今回の旅行で最も心にのこるという言い方をするならば、文句なしにこの遺跡のことを言おうと思うわけです。
 しかし残念なことに、このベンメリアはこの10年の内には改修して今とは違った観光スポットにするという話が出ているそうなので、この自由な遺跡探検も無くなってしまう可能性が高いようです。ベンメリアの良さのひとつに人が非常に少ないというのがあるのですが、それも宣伝の方法を変えてどうにかしようとしているようです。 ベンメリアは本当に人が少なかったです。その直前に人でいっぱいだったバンテアイ・スレイを観ていたので、対比で余計に人が少なく感じました。いても遺跡の外周をくるくる観回るくらいで、自分たちのように遺跡の内部まで入っていくなんて人たちは殆どいないようでした(そりゃそうです。前述しましたが、ガイドの方がいないことには道だとは到底思えないようなところをぐんぐん進んでいくわけですから、旅行客のみだったら入っていけるわけがありません)(その点からすると、運よく現地の人に案内してもらえた僕らは非常にラッキーだったことになります)。
 で、このはてなの企画について、特に読んでいないのですが、もし一枚だけということだったら、この写真はどうかと思います。これは外周をぐるぐるしていたときに撮った写真だと思うのですが、撮った時には全くその場にいた記憶のない女の人が写っているので、個人的にぞくりとした一枚です

 ここまできて最後はまたそっち系の話かよ! って感じですけど。そういえばアンコール・ワットの写真では自分が変に発光している写真とかもありましたし、すでにあまり気にしてない領域に入ってます。
 他にも買い物関係で楽しいことがあったので、気力があればカンボジアについてはまた書いたり写真をアップロードしたりすると思いますのでよろしくです。そんな感じでした。