個人的懐ゲーやってるみたいな記事を書いた上にこういうこと書くとコントラストでますますバカさ加減が際立って見える気がしますが構わず言うと昨日成績表みてみたら必修単位落としてるみたいで愕然としました。でもよく考えたら落とす要因は確かにあったので納得しながらも傷心を癒すために上野公園とかに行って遊んでいました。マウリッツハイス美術館展を観て癒されたり犬を撫でて癒されたりしていました。
 マウリッツハイス展について少し書きます。オランダの美術館なので当然オランダの画家が集合しています。去年から3度くらい観ているフェルメールやステーンやレンブラントの絵に再会しました。17世紀オランダ美術と初期印象派はぼくのともだち。前の海外滞在から若干人混み恐怖症になっているのに改めて高齢化問題について考えさせられるくらいの老人たちに囲まれて割と最悪の環境の中で頑張って観てまわりました。ちょうどおれが観終わる頃にはお客が3分の1くらいになっていたので時間間違えたなぁという気持ちがあります。でもそれでも昼とかよりはマシだったと思うんですよね。経験上
 ちょっとピックアップ。ヤン=ファン=ホーイエン作『ホーホエルテン近郊のライン川の眺望』ライン川きったね。と思いました。けど17世紀の陰りが見えてきたオランダ人の描く絵ってこんな感じなものなんですかね。しかし、とはいってもライン川だし。メインデルト=ホッペマ作『農家のある家』真珠の首飾りの少女が目当てではあったんですが、今回ではこの絵が一番印象に残ってます。油絵のかっこよさ抜群でした。ゴッホとかがやるような濃いべっとりとした塗りではない油絵の浮き出方でした。斜めからみると張り付いてる?みたいに見えます。一枚絵を描いて、その上に薄い絵をまた重ねたみたいな印象があります。この絵の木はすごいです。純粋に「絵、うまっ」ってなりました。ルーベンス『聖母被昇天』下絵ですがあの絵。聖母のまわりの天使の捩れ方がかっこいいよなぁと毎度思います。あとどうでもいいけど聖母被昇天学院っていう学校があるそうです。かっこいい。レンブラント『スザンナ』『シメオンの賛歌』レンブラントは光と影の魔術師とかいわれますけどこれが本当に言い得て妙で、どの絵もその点でまさに他の何にも勝ってます。この重みで油絵が描けるからこそなんだろうなぁと思います。スザンナもシメオンも重厚な感じが超かっこいい。フェルメール真珠の耳飾の少女』最悪の環境ではありましたが一応間近でよく観ることができました。暫く観ていて思ったのは絵の中央点についてで、何でちょっとずらしてるのかなと。角度に対してフラットになるとちょうど真ん中のところは少女の頬の影の部分になっていて、じっと見てるとこれバランス悪いんじゃないかという気がしてきます。でもそれでいてこれでぴったりだとも思えてきます。このトローニーを描くに対してフェルメールはそんなにも気合を入れたか? と考えると、自然体の自然みたいなことについて思わされます。確かに少女は振り向いて何か言おうとしているようにも見えるんですが、その台詞ってほんとどうでもよさそう。すごい軽そう。それでフェルメールの心髄にいるこの子ってやっぱり対外的にはそんな重要ではないんじゃないか、フェルメールにとっても我々にとっても妙に等身大な感じで全然神秘性はないような、と思えきます。大体服装が当時のオランダにしては変だし… でもちょっとくらいずれているくらいが一番良かったりもするんだろうとこの点でもやはりそういう風に思って終わる。この頃のオランダ画家が描くかっこよさ(女性だからとかは関係なく、同時代の『スザンナ』にはかっこよさがあるし、他にもアイルワースのモナリザにもかっこよさはある)とかは無いけれど、どちらかというと風景画と同じ類のかわいさを感じました。やっぱ好きです。真珠の耳飾の少女。そんな大々的に扱われる必要はないようにも思いますが。ヴァン・ダイン『ベーテルステーファンスの肖像』この絵自体は全くどうってことないんですが、並んでいた隣のおっさんがこの肖像のおっさんと似ててびっくりしました。それだけ。フランス=ハルス『笑う少年』良い髪だよなぁと思うしやはりそこで評価されているらしい。ハルスってこの時期のオランダ画家の中でも走りみたいな存在のはずなのにこういう絵の質感があまり後ろの人たちに影響を与えていない気がなんとなくするけど本当になんとなくです。ルーベンス『ミハエル=オフォヴィウスの肖像』解説「心持ち開いた口元は信者に話しかける修道士にふさわしい」…そうか? レンブラント『自画像』レンブラントは自画像が異常に多くて好き。自分をたくさん描く画家って良いよなぁ。しかし、若い頃のレンブラントならかっこいいからわかるんだけど、どうみたって筒井康隆なおじいちゃんになってからの自画像にも人々が集ってまじまじと見ているという構図は傍から見ててなんか笑えます。アブラハム=ファン=ベンヘレン『豪華な食卓』油絵の静物画はどれもかっこいいけどやはり食卓とかテーブルの上は栄えます。時代と派によって全く違うのに油絵はどれもかっこいいのは不思議です。セザンヌのリンゴとオレンジはかわいさが目立ちますがこっちはとことんかっこいい。かっこいいかっこいい言ってると語意力低いと思われがちですし現にそうなんですが、でも油絵に関してはそれ目的で見ているし実際にそうとくらいしか感じないから仕方ない。ヘラルド=ネル=ボレフ『手紙を書く女』この時代のオランダの人が手紙を書く絵について描く意味については文化村フェルメールのときによく書きました。ヤン=ステーン『カキを食べる女』最後に微妙に目立たないステーンさんラッシュ。有名ななんか騒いでいる絵もありましたがこっちの絵の解説の方が気になりました。え? カキって媚薬扱いされてたんですか? 検索してみたら結構鉄板品みたいです。個人的にはチョコレート一強な気がするんですが気のせいですか。チョコレートは付属効果がすごいからかな

マウリッツハイス美術館展: 公式ガイドブック (AERAムック)

マウリッツハイス美術館展: 公式ガイドブック (AERAムック)

 相変わらず商売魂たくましいというか物販の力の入れようが凄まじかったです。またお客さんもよく買う。自分もポストカードを一枚買いましたが。一枚すごくいいものがあったので。飾ろうと思います。
 17世紀オランダ画家は相変わらずかっこいい絵をたくさん描いてくれるのでとても楽しめました。次の展示も楽しみにしています
 ※本当は良かったと思った絵の画像も載せたかったんですがなんだかはてながバグっているのかアップロードができないので断念です。最近のはてなはなんなんですかね…