そうそう。
 一昨日…。いや作一昨日くらいに、ちょっと、うちの家系に関しての話を知る機会があって、これが聴いてみると非常に面白いものでした
 元々少々おかしなところ、というかひっかかるところのある家で、一体どういうことなんだろうと不思議に思っていたいくつかの疑問点が一気に解決しました。どんなことかというと… 俺は母譲りのオープン気質で 大抵のことは包みなく話せるし、表面的なことを知られる程度のことにさして守るべきプライバシーなんてものを感じたりはしないので これも十分に話せる範囲のことなんですが 有体にいえば、100年くらい前にこの家で起こった遺産相続の話です。末代までとは言わないまでも、数代くらいだったら余裕で豪遊して暮らせるほどの財産がどうして霧散することとなったのか、そして一連の出来事がこの家の現状に未だどれだけの影響を及ぼし続けているのか、とか、大体そんな内容のことです。
 割とリアルなうみねこのなく頃にといったところです。書き方次第では赤朽葉にも匹敵しそうです
 家庭の事情が人格形成にまで影響してしまうというのは虚しいことですが、その影響をぎりぎりで逃れている俺は、この血を受け継ぎつつもある意味では蚊帳の外の人間だから、それらのシィークエンスを全て客観視することも、まぁ可能といえば可能です。立場的に方々から言質を取ろうと思えば取れるし、資料もある程度残っていますから、追いかけようと思えばもっと深いところまで知ることもできるんでしょうが、
 しかし、
 本当に深いところの、たとえば何を準拠にした行動なのかという点などは、暗澹とした影でしかなく、その真意は永遠にわからないままなんでしょう
 なにせ死者はやはり何も話せない
 でも想像すること自体に夢があります
 何より そんな この家の奇妙な経緯をずっと傍観してきた人間が、あろうことか俺の第一志望の学校で教授をやっているというから、どこか運命的なものを感じます。
 郷戸史研究に近い感覚ですが 何にせよ面白いので、時間ができたら調べようと思います ひい爺ちゃんの家で何があったのかについて。自覚できることではないですが、俺には中々無いような血が流れているみたいです
 血 血 血
 不穏な言葉ですけど、でも嫌いな人ってあまりいませんよね