げんしけん10 二代目の壱
賛否両論あるげんしけん続編。個人的にはどっちに極端に寄るでもなく、かといってどっちにも属さないわけでもなく、賛否3:7くらいの気持ちで読んでいます(十分寄ってる?)。
そもそも「いわゆるオタク」的文化がここ数年で大きく(本当に大きく)変遷してしまい、そんな今ではげんしけんという作品は土台そのものから崩れ去っている気がします。つまりパロディはどこでも行われるようになったし、元ネタを知る母数も圧倒的に増えたから、今の人気作品からネタをもってこられてもそれは性質的にライトにあらざるを得ないということです。知る人ぞ知るものでないと意味がない。そういう意味では2006年まで連載させた時点で既にオーバーランだったともいえます。陰と気持ち悪さを絵も使って上手くあらわしていたのは初期までで、大体荻上さん登場あたりから非常にライトになり(スー登場からは顕著)、あとは完全に人間関係を描いただけの話になった、という時点であまり好感はもてないんですけど、それでも着地自体は失敗したものではなかったから格好はついていたのに、まさかのこれ。育児漫画で滑ったからって(『あの』げんしけんの木尾士目! というキャッチコピーで売っときながらあそこまで爆死するのは逆にすごいです)戻ってこられても困るわけです。斑目は全く恋が実らないままぐにゃぐにゃしたまま二次元作品が水準なまま終わるからよかったのに、続きを描かれても困るわけです。一度取った栄冠を被り直しても醜いだけなんです。
といいつつ描かれてしまった以上はきちんと読むから説得力がない。
思ったこと1・作中でもいわれているけど現役で男性陣多くないと木尾士目がおそらく属性的に好きなドロドロした雰囲気は出せんし見てて面白くないぞ。2・スーっていうキャラの存在に無理がありすぎる。せめて闇を明かしてくれ。3・神格化されると高坂がとことん変なやつになってくからやめてほしい。4・久我山レベルのリアルなキャラとかはもう出せないんかね… 矢部さんは様子見だけどモノローグ描いてまで描写していくキャラだとは到底思えない。5・そういえばくじびきアンバランスってどうなったんだろう…
- 作者: 木尾士目
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/05/23
- メディア: コミック
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