日記6

『あっしがー』

 目覚めると枕元右側には地震以来常備の防災頭巾、左側には「頼んだ」という丸文字とTSUTAYAの袋があった。袋を開けてみてみると今日付けで返さねばならないDVDやらBDが5本。どうやら自分は行けないから代わりに俺が返しておけという姉からの伝言らしいが、時計には9時半と書かれていて「いや頼んだも何も無理ゲーだろ」と思ったんだが、今までの経験上こういう時に任務を遂行できないのは後々自分にマイナスとなって振りかかって来ることは火を見るより明らかだったので、全速力で駅前のTSUTAYAまで行き9時58分に返却ポストに入れたことで一日が始まった。このまま家に帰って二度寝するよりも良い天気を楽しんだ方が豊かだろうと思い自由が丘まで散歩する。相変わらず最短ルートがわからないから線路沿いに適当に。制服の女の子がたくさん見られて眼福だった。いつも見かける制服だけど結局どこの学校のなのかはわからず仕舞いで引越しすることになるんだろうと思うと何とも言えない気分になった。都立大も少しぶらぶらしてから自由が丘に着く。本屋とブックオフと玩具屋とゲームセンター等で時間を潰し、また歩いて学芸大まで戻った。散歩中はthe band apartの新曲がびっくりするほど合っていた。春なのにどこか8月のにおいのする気温だったからか。なんにせよ楽しかった。

『ゆめいち』

 家に戻って少し休んでから、着替えて今度は新宿に向かった。予備校選びもさすがに慎重に成らざるを得ない。本科生という選択肢も出てきたからそのことについて訊きにいったんだが、あまりいい感触ではなかった。やはり拘束されるのはいやだ。ていうかホームルームとか絶対にいやだ。そもそもおれは浪人生ってのが嫌いなんだ。あの代ゼミとか駿台でキャッキャウフフと楽しそうにしている浪人生が(宅浪とかは別よ)(あと自習室マスターとかも別よ。もちろん)。なに大学生ぶってんだよと。まだ大学生じゃねーんだよと。何かそんな風に思ってしまう。いや。なんだろう。遊ぶのがダメだというのではない。だって根詰めてもよくないしな。でもケジメがないように見える(実際どうなのかはこの際どうでもいい)。だって教室前のラウンジでトランプとかやって騒いでるんだぜ。予習しながら列組んでる人の身にもなれと思う。で、文体が崩れそうだから戻そうと思う。とにかく本科生のシステムとかも聞いていてやっぱイヤだなと思うようになったので、仕方ないからまた保留にして、今度は別の予備校も見ることにした。選択肢が増えるのは必ずしもいいことではないとは常常思っているので、できればひとつの予備校内で一か二かを決めるという立ち位置でいたかったんだが、まあ仕方ない。というわけで予備校探検は明日も行われることになった。

『ながれる』

 そして秋葉原へ。もういやなことは大体考えたから次は遊ぼうということで友達と会い過ごした。泊まりの案もでたけど結局23時頃に別れて、揺れる日比谷線の中でひとりぼーっとしていると、またいくつかの良くないことが頭に浮かんできたから、耳にイヤホンを突っ込んで目を瞑って思考を停止した。気付けば中目黒で駅員さんに肩を揺すられていた。一日中歩いていたせいか足がぐったりしていた。泊まらないで正解だったと思いながら帰路についた。どうもお疲れ様でした。
 あー。
 英語読まなきゃ